AI産業が首都圏に集中し、地方との雇用格差が一段と拡大したとする主張が韓国で拡散している。本紙日本語版検証デスクは一次資料計12件を精査し、この主張の裏付けを調べた。その結果、首都圏への産業・雇用の偏在を示す内容が資料から確認された一方で、根拠とされる報告自体に限界が明記されており、断定は避けるべきとの判断に至った。
問題となった主張は、「AIは首都圏に独占され、地方との雇用格差がさらに広がった」という趣旨のもので、地域経済や雇用政策を巡る議論の中で繰り返し取り上げられてきた。成長産業とされるAIの人材・産業集積がどこに偏っているかは、地方圏の将来を左右する論点として注目を集めている。
検証デスクが参照した一次資料は計12件に上る。これらの資料は、AI分野の産業活動と雇用が首都圏に集中している実態を裏付ける記述を含んでおり、地方との雇用格差が拡大したとする主張と整合する。主張の中核をなす「首都圏への偏在」と「格差の拡大」の二点は、資料全体の趣旨から大きく外れていないことが確認された。
一方で、主張の根拠となる報告には、要因分析などをめぐる限界が明示されていた。分析の前提や測定を取り巻く留保が報告自体に付されており、検証デスクはこの点を重く評価した。裏付けのある部分と、報告が持つ制約の部分を併せて考慮した結果、最上級の「事実」との評価は見送った。
以上を踏まえ、本紙日本語版検証デスクは「AIは首都圏に独占され、地方との雇用格差がさらに拡大した」とする主張について、報告自体の限界が明記されていることを理由に、判定を「概ね事実」とした。