核兵器や生物兵器の開発につながりかねない「危険なAI」について、その公開を事前に差し止める権限を連邦政府側に付与する法案の検討が、米上院で推進されている。能力が急速に高度化するAIモデルの安全管理をめぐる動きで、大量破壊兵器に関わるリスクへの規制が中心に据えられている。
今回推進されている法制化の狙いは、核兵器や生物兵器の開発・取得を助長する恐れのあるAIシステムについて、リリースの段階でこれを阻止できる権限を確保することにある。兵器開発に関わる重大なリスクをもたらし得るAIを対象に、公開前の段階で管理を行う枠組みの整備が議論の柱となっている。
AIの能力向上に伴い、悪用による安全保障上のリスクへの懸念は米議会内で強まりをみており、危険性の高いAIの公開を規制する仕組みをどう設計するかが論点となっている。AIモデルの公開条件に関わる動きだけに、先端AI開発に取り組む各国の企業や研究機関への影響も注目されるところだ。
当紙ファクトチェックデスクは、この報道内容について一次資料9件を精査した。その結果、米上院が「危険AI」の公開差し止め権限の法制化を推進しており、核・生物兵器リスクへの規制がその中心に位置づけられているとする内容は、各資料の間で整合的に確認された。
結論として、米上院が核・生物兵器リスクへの規制を軸に「危険AI」の公開を差し止める権限の法制化を推進しているとする今回の報道は、概ね事実と判定された。