概ね事実
【東京】日本で、人工知能(AI)を物理世界で動かす「物理AI」分野のデータ連合が発足し、工場に設置された機械1,600台に固有の識別子(ID)が付与された。日本経済新聞が朝刊で伝えたもので、国立研究開発法人産業技術総合研究所(AIST)や工作機械大手DMG MORIの公表資料が、こうした動きと整合している。
日本経済新聞の朝刊報道によると、発足したデータ連合は、物理AI開発に不可欠な現場データを複数の企業・機関が連携して活用する枠組みで、その下で工場の機械1,600台に固有IDが付与されたという。物理AIは、ロボットや工作機械など実体を持つ機器にAIを組み込み、現実世界のデータから学習させる分野だ。製造現場では、機械ごとの稼働データを正確に識別し、蓄積・共有できるかどうかが開発競争の鍵とされており、固有IDの付与は異なる企業・設備のデータを結び付ける基盤整備として位置づけられる。
産業技術総合研究所は7月2日、公式サイトでプレスリリースの図版資料を公開した。また、工作機械大手のDMG MORIも7月6日付で、政府の生成AI加速プログラム「GENIAC」に関連する公表資料を公開しており、製造業側の関与をうかがわせる。GENIACは経済産業省などが推進する生成AI支援プログラムで、大規模言語モデル(LLM)分野を起点に、ロボットや製造といった物理世界側の領域への拡大が進められている。
物理AIの学習には、工場のセンサーや工作機械が生み出す実データが不可欠とされる。一方で、企業や設備ごとにデータの識別方法が異なることが、企業間共有の壁になってきた。固有IDの付与は、この壁を下ろす「共通言語」の整備に相当し、日本の製造業が持つ現場データをAI開発資源へ転換する狙いがあるとみられる。
日本経済新聞が朝刊で報じた内容は、概ね事実と判定された。