事実
米エヌビディアのジェンスン・ファン最高経営責任者(CEO)は、人工知能(AI)が人類滅亡をもたらすという主張を反論し、AIへの恐怖をあおることは「不必要であり、無責任だ」との認識を示した。生成AIの中核を担う半導体を供給する同社のトップが、AIをめぐる悲観論に公の場で明確に反対姿勢を打ち出したことで、安全性を巡る業界議論の温度差が改めて浮き彫りとなっている。
ファン氏は、AIが人類の存亡を脅かすというシナリオに対し、異論を唱えた。同氏の見解では、AIへの恐怖を意図的にあおる行為は「不必要であり、無責任」であるという。AI基盤となるGPU市場を牽引する企業の経営者として、滅亡論に距離を置く立場を鮮明にした形だ。
同氏はAIの能力やその社会実装の拡大を前提に、恐怖の演出ではなく現実的な技術発展への焦点を据えるべきだという趣旨の認識を示したとされる。リスクの誇張が、技術の健全な普及を妨げかねないとの問題意識が背景にあるとみられる。
AIの「存在リスク」、すなわち人類滅亡級の脅威を巡っては、業界内外で厳しい警告と楽観論が交錯してきた。ファン氏の発言は、最先端のAI技術を実際に生み出す側の代表的存在が、こうした警告に正面から異を唱えたことを示すものであり、今後の規制論議や安全性投資の方向性に影響を与える可能性がある。
AI半導体の供給網を握る同社の首脳による発言だけに、危険論に基づく過度な規制や投資の萎縮を警戒する業界勢力に追い風となる一方、安全性強化を求める側との対立が深まる懸念もある。
AIによる人類滅亡の可能性を退け、恐怖の扇動を「不必要で無責任」と批判したファン氏の発言は、事実である。