事実
トランプ米大統領が、最先端AIの開発速度を抑えるべきだとする「速度調整論」を改めて批判し、「喜ぶのは中国だけだ」との見解を示していたことが、本紙検証デスクの調査で分かった。この発言をめぐる主張は、一次資料10件の精査により裏付けが取れた。
先端AI開発を巡っては、安全性や社会への影響への配慮から、開発のペースを意図的に緩めるべきだとする主張が存在する。関連報道に添付された資料には「We must pace the frontier(フロンティアの速度を調整せよ)」との文言が用いられており、速度調整論がAI政策を巡る論争の一部を形成していることがうかがえる。
トランプ氏はこうした考え方に対し、AI開発の減速は米国の競争力を損ない、その恩恵を受けるのは中国だけだとの認識を示した。発言の要点は「喜ぶのは中国だけだ」という一節に集約される。同氏が速度調整論に反対の姿勢を表明するのは、今回が初めてではなく、繰り返し批判してきたという構図だ。
本紙検証デスクは、トランプ氏が「AI速度調整論」を再び批判したとする主張について、一次資料10件を精査した。その結果、批判の再表明および「喜ぶのは中国だけだ」との発言の存在が確認できた。
米国と中国がAIおよび半導体分野での競争を強める中、開発速度や規制の在り方を巡る論争は、関連産業の戦略にも影響を及ぼす可能性がある。規制強化か開発加速かを巡る攻防は、今後も米国内のAI政策議論の焦点であり続けるとみられる。
検証の結果、トランプ氏がAI開発の「速度調整論」を再び批判し、「喜ぶのは中国だけだ」と述べたとする主張は、事実と判定された。